「えぇ〜,毎度ばかばかしいお話で一席お付き合いのほどを」。
マイクロソフト社がウインドウズ2000がネットワークから締め出されるセキュリティ警告を出しているが,これがちょっと風変わりだ。この警告は切迫しているわりに,状況を見定めたり,防御を講じるための情報がほとんど提供されていない。もしシステムが感染してしまった場合は,OSを再インストールするようにとしている。
「大変です,ご隠居」「なんだい八兵衛かい,騒がしいねまったく」「聞いてくださいよご隠居,なんでもあちこちのパソコンで設定が変わってネットが使えなくなるんだそうですよ」「なんだよそんなのはよくあるワームかなんかだろう,さっさとパッチでもなんでも当てちまえばいいだろうが」「いえね,それがなんでもパッチは出てねぇんですよ」「んぢゃあ感染しちまったらどおするんだい」「ええと,OSをもう一度インストールするようにとありますね」「…それはどっかの小学生かなにかが出している警告なのかい?」
「いえいえMSさんが発布した警告ですぜ」「…それにしちゃあ中身がなんにもない警告ぢゃないか。しかもOSを入れ替えろと云うのは対策って呼べるもんぢゃないだろ」「はぁまぁそんな気もしますが」「なんかあれだね,車が走ってないところで交通事故の話をしているような感じだよ」「んぢゃあ慌てる心配はないってことですかい?」「なにもしようがないだろ。または,そんなわけわかめな警告が出るようなシステムは使うなってこったな」「…え〜と,すみませんうちの会社には100台以上のそのシステムのパソコンがあるんですけど」「まぁがんばりな」「それだけですかい? なんか『おあとがよろしいようで』と云えないんですけど」「んぢゃあその警告とかけて,腹話術・どじょうすくい・皿回しと解く」「その心は?」「今の世の中では役に立つことはありません」。
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